プロテクションスプリントとは?

プロテクションスプリントというものを皆さんはご存知ですか?
当院では治療中、そして治療を終了された方たちの多くに、ご自分の歯を長く 守るためにプロテクションスプリントというものを使っていただくようお願いしています。

プロテクションスプリントは透明なプラスチックやアクリルのような材料でできた マウスピースのような装置で、主に就寝時や長時間の乗り物での移動時に、 上の歯に装着して使用します。

ではなぜそのようなものが必要なのでしょうか?

皆さんは毎日の生活の中で感じたストレスをどのように解消していますか。
運動したり、お風呂に入ったり、誰かと話をしたり、お酒を飲んだり、寝たり・・・・
いろいろな方法がありますが、他にも体が無意識で行うストレス発散方法もあるのです。

そういった無意識下でのストレス発散方法の中に「歯ぎしり」「食いしばり」 というものがあります。これらの行為は脳にとっては心地のよいものなのですが、 過ぎるとその力で体を破壊してしまうのです。
意識的に強く咬んだ時にかかる力に較べ、無意識下で起こる「歯ぎしり」 「食いしばり」の咬む力は数倍の負荷がかかるといわれています。
(女性でも100kg以上、男性だと200kgに及ぶこともあります)

そのような石を噛み砕くくらいの力がかかると次のような問題がおこります。

・歯が揺れてくる!
 歯に強い横揺れの力がかかり、歯の周囲の骨も歯を支えきれなくなり
 溶けてしまうのです。

・歯が削れてしまう!
 歯そのものが力を受け止めてしまった場合は歯と歯がこすれあうことにより、
 次第に削れて形が変わってしまい、正しい咬みあわせを維持できなくなるのです。

・顎の関節・筋肉の異常がおこる!
 強い力を顎全体でバランスよく受け止めることができなければ、顎の関節が押され
 軟骨がすりへったり、顎を支えている筋肉が、疲労のためうまく機能
 できなくなることもあります。

・虫歯になりやすくなる!
 強い持続的な力が歯にかかることによって、歯の表層のエナメル質に
 マイクロクラック(微小なひび割れ)が生じます。
 ここから虫歯菌が入り込み、虫歯になるのです。

・歯周病の進行を加速させる!
 歯周病自体は原因は歯周病菌ですが、歯に過大な負荷がかかることによって、
 進行するスピードはぐんと速くなります。
 部分的に歯周病が極端に進んでいるケースは、多くがこのパターンに当てはまるのです。

プロテクションスプリントを装着すると、上の歯は軽く固定され、咬み合わせの面が平らになります。
下の歯はその平らなプロテクションスプリントの上を、上の歯の歯並びや形に邪魔されることなくスルスルと滑らかに動かせるようになります。
ですから上記したような問題も解決できるのです。

・力の方向をコントロールする!
 特に歯にとって、様々な害を及ぼしやすい横ゆれの方向に力をかけないようにする。

・力を分散する!
 少数の歯に力がかかるのを防ぎ、できるだけ多くの組織で均等に力を負担させる。

・歯が磨り減らない!
 プロテクションスプリントは歯より少し柔らかい材料でできているので、
 歯ぎしりをしてもプロテクションスプリントが削れてくれるだけで歯は変化がありません。
 時間が経てばプロテクションスプリントを修理・再製作すればいいだけです。

・治療したところが壊れない・取れないようにする!
 虫歯が原因ではなく、かぶせ物や詰め物が取れてくる場合は、
 多くがこの力によるものなのです。

つまりプロテクションスプリントのコンセプトは体に負担なく
歯ぎしり・食いしばりをするための安全装置だと考えて下さい。
決して食いしばり自体をやめさせる装置ではないのです。
食いしばりをやめさせると今度はストレスによって脳に支障がでてくるそうですよ。

食いしばりや歯ぎしりは多くの方で自覚なく、体をかなり破壊して、
はじめて気づくことがほとんどです。
特に私のところに来られる方々は、バリバリ働いてストレスもいっぱい
ため込んでいるのでしょう。
私がお口の中を拝見したところ、
ざっと9割くらいの方が中〜大のレベルで歯ぎしり・食いしばりを
されているように思われます。

当院では、プロテクションスプリントは各個人の歯に合わせてカスタムメイドで お作りしております。
使用していただく前に、力のコントロールができるように咬みあわせを調べて調整が必要です。
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