リカルデント(予防歯科)

牛乳タンパク質から作られた新しい抗う蝕性物質・リカルデンTM( CCP-ACP)が入ったガムが

2000年5月15日に発売になりました。

牛乳タンパク質から作られた抗う蝕性物質「リカルデント」について。
リカルデント(CPP-ACP)は、オーストラリア・メルボルン大学歯学部教授 エリック・C・レイノルズ博士の

20年に渡る研究とオーストラリア最大の乳製品メーカーであるボンラック フーズ リミテッド社との

研究・開発の末に生まれた新しい画期的な成分です。

 

CCP:カゼインホスホペプチド、牛乳タンパク質を酵素で消化したリン酸ペプチド
ACP:非結晶性リン酸カルシュウム
リカルデント(CPP-ACP):リン酸カルシュウムを沈殿させないで過飽和の状態にするユニークな機能を有し、

人や動物実験で歯牙表面に局在している自然発生したう蝕を抑制し、再石灰化することが確認されています。
特徴的なのは、歯面=エナメル質の内側まで透過し、再石灰化=う蝕を修復させる事です。
リカルデント(CPP-ACP)は、キシリトールのような代替甘味料ではありません。つまり、直接エナメル質表層下まで

浸透し、初期う蝕を内部から修復させるという点において区別されます。
リカルデントガムは、キシリトールを糖質中50%含んでいます。

健康なラットにう蝕原生菌(虫歯をおこすバイ菌)を経口感染させ、その歯牙に各種濃度のリカルデント溶液と

500ppmのフッ素溶液との組み合わせを作り、抗う蝕効果を検討した。
1%のリカルデント溶液では55%のう蝕抑制効果が認められた。
リカルデント単体で使うよりも、フッ素も併用した方がより効果が高いと期待できる。

●リカルデント(CPP-ACP)の修復作用は約3時間と言われています。
●歯垢(プラーク=歯糞)中にもリカルデント(CPP-ACP)は、取り込まれる。(注:Eric C Reynolds 博士談)
●リカルデント(CPP-ACP)を使っていると歯石が多く出来ることは無い。(注:Eric C Reynolds 博士談)

 

問題点:
●ミルクアレルギーのある方は、アレルギー症状が出ることもあります。
●現在は、ガムの形でのみ供給されているので義歯が入っている人には噛みにくいと思われます。
●ガムの成分中、甘味料としてキシリトールがある程度入っているのは大変好ましいのですが、

残りの成分にアスパルテームが入って点が気になります。
●今までに無い、確かに良く考えられた製品ではありますが、低年齢者が常時使うことは、

甘いものを好む体質に繋がって行きますので程ほどに。
●当然、この製品だけで虫歯予防は、不可能であることをお忘れなく!
●修復作用は、初期のう蝕に限ります。大きい穴の開いたウ窩(虫歯の穴)は治療の対象となります。

 

付記:

アメリカ、ヨーロッパでは既に” Trident Advantage,Trident for Kids ”の商標名で販売されています。
但し、成分配合比や味は日本向けにアレンジされているようです。
参考にリカルデントの製品情報の載っているURLを記しておきます。

http://www.recaldent-gum.com/

http://www.recaldent.com/

http://www.adams-jp.com/

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