各年齢における虫歯予防(奥歯が永久歯に生え変わる時期~)

〇奥歯が永久歯に生え変わる時期(専門的用語: 側方歯群交換期)でのポイント

乳歯から永久歯に生え変わる時期は特に定期健診が必要です。
学校健診で問題があればもちろん,「虫歯なし」と言われても定期健診は健康な口腔を

維持するためには必ず必要です。
生えはじめの永久歯は石灰化が弱いのでフッ素塗布の効果が大きいと考えられます。
歯並びのチェックもこの時期は受けてください。
規則正しい食生活と正しい歯磨きをこの時期に覚えましょう!

 

〇思春期(受験時期で夜が遅い、食生活の乱れ、親の言う事を聞かない)でのポイント

永久歯が全部生えそろうのは12歳ごろです。それ以降の思春期の時期は人生の中で

カリエスリスク(虫歯になる危険性)が一番高くなる時期といってもいいかもしれません。
永久歯はまだ十分硬く(石灰化する)なっていません。
親の言うことはあまり聞かなくなりますし、受験時期では食生活が乱れがちにになってしまいます。
小学生のうちは行っていた定期健診も部活や勉強などの理由で行かなくなってしまう事が多くなります。
友達同士での買い食い、夜食、ダラダラ飲み・食いも多いようです。いろいろな悪条件が重なります。

この時期には虫歯の問題また健康な口を維持することを自分自身のものと理解させる必要があります。
やはり定期健診を受け自分自身のカリエスリスク(虫歯になる危険性)を理解し専門家の

アドバイスを受けてください。
リスクの高い人でも適切な予防処置で虫歯は防げます。

 

〇成人でのポイント

虫歯予防だけでなく、歯周病(シソウノウロウ:歯槽膿漏)にも注意を払う必要が出てきます。
歯周病菌の異性(パートナー)からの感染を示唆する報告も有ります。
歯周病の進行は、タバコの問題も含んでいます。
ストレス社会の現代、精神・神経系の病気に気を付けましょう。薬の副作用で唾液の分泌が

下がってきて虫歯が出来やすくなります。

 

〇中年期でのポイント

30歳から50歳までは国民の口腔内の調査(歯科疾患実態調査)から見ると虫歯の数は

それほど増加しないような時期です。
しかし、安心はできません。
この時期は治療した歯が古くなりどんどん悪くなり失われる場合が多いのです。
30歳までになるべく歯を削らないようにしなければいけません。
この時期は虫歯とともに歯周病の進行にも注意が必要です。
40歳以降とくに50歳を越えると急激に歯を失ってくる人が多いのです。
30歳代で歯周病が進行している人は歯周病のリスク(危険性)の高い人ですので、

特に注意が必要です。
歯周病は初期の内に完全に治療し、健康な状態を維持するために定期的な歯科検診を

受けなければいけません。
虫歯と歯周病の予防のためにやはり定期的な歯科健診が必要です。
期間は個人個人のリスクによりますが,リスクの少ない人でも半年に1回は必要でしょう。

 

〇壮年期でのポイント

50歳以降は加齢とともにムシ歯と歯周病のリスクも増加してきます。
加齢に伴って唾液の分泌量が低下してきます。
また,高血圧や糖尿病などの慢性疾患の治療薬の副作用により唾液分泌が減少する場合が

多く見られます。
口が渇くためにノド飴や糖分の入った飲み物を多く取るために急に虫歯ができてくることがあります。
この時期には唾液の分泌量のチェックが必要です。
薬の服用により口が渇きやすければ薬を変更することも考えて担当医に御相談ください。
この時期の虫歯予防にもフッ素は有効です。
フッ素による再石灰化の促進と脱灰の抑制効果により歯根部分の虫歯予防に効果が期待できます。
毎日フッ素入りの歯磨剤を使用してください。
歯周病も年齢が増せばますほど悪化する可能性が高くなっていきます。虫歯も歯周病も急激に悪化する

可能でがありますので何かの症状があった場合すぐに歯科医院に相談ください。
予防を確実にするためには定期的に歯科医院を訪れて唾液の分泌量を含め口腔内のチェックを

受けてください。

〇老年期でのポイント
体に御不自由が出始め、お口の手入れがなかなか上手に行かなくなってきます。
プロフェッショナルな予防処置を定期的に受けましょう。

ページトップへ