予防歯科の知識 喫煙と歯のトラブル

喫煙と歯周病について

 

1. 喫煙によってニコチンは歯肉や口腔粘膜からも吸収されて体の中へ入ります。
ニコチンは外敵である細菌などの微生物から体を守るために存在する白血球(機能が50%もダウンする)などの

免疫細胞の働きを鈍くさせてしまいます。
結果、毒素などによる、まわりの組織の破壊を進めます。これは歯周病に罹りやすくなることや、

現在歯周病に掛かっている方でしたら、その病状の悪化につながります。

 

2. ニコチンは、末梢の血管を細める作用があり、これは歯肉への酸素や栄養を十分運ばなくなることですから

歯周病を治そうとする自然治癒を阻害してしまいます。
また、老廃物の除去も、上手く作用しなくなります。

 

3. 喫煙によって血中の一酸化炭素が増え、酸素の供給を阻害してしまいます。

 

4. ニコチンや一酸化炭素は歯肉を硬く、また線維化させ歯周病の症状を隠して、手遅れになりやすい。

 

5. 歯周病の治療のために手術を行なっても、喫煙によって傷口をふさぐ細胞(線維芽細胞など)の働きが鈍くなり、

また上記等の理由により良い結果が得られなくなったり、次の治療のステップに入る時期が遅れることになり、

しいては通院期間が長引くことになります。

 

6. タバコの煙に含まれる200以上と言われている有害物質が、歯茎周りの組織に直接作用したり、

刺激したりして炎症を助長させる。

 

7. 全身の免疫力も低下しているので、歯周病も改善され難にくく、悪化の道を進みます。

 

8. 喫煙によりビタミンCが大量に破壊され(タバコ一本で25mgの破壊)、血中のビタミンCも減り、

歯垢の沈着度が増加する。
また、ビタミンCは身体の抵抗力を高める重要なもので、炎症や傷の回復には効果的である。

 

9. ニコチンは喫煙後に徐々にだ液の分泌量を下げる。結果、歯垢(plaque=プラーク)の付着や歯石の

沈着を増進させます。

 

10.喫煙後にダ液の分泌量が下がると言うことは、口腔乾燥症と同じことで、再石灰化も行われ難いと言う事。
だ液の緩衝能が下がる事も意味しています。

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