今、日本の歯科医療に最も足りていない部分は、「原因追求」です。
ひとりひとりのリスク(病気になりやすさ)は千差万別です。
人によっては虫歯になりやすい、人によってはくいしばりの力によって歯が壊れていっている、
また人によっては歯周病になりやすいといったような差が存在します。
ですので原因追求をし、その人のリスクを診断する必要があります。
いわゆる虫歯治療は、“歯を削って詰め物を入れる”ですね。
しかし、これは一般医療における『対症療法』にあたります。
例えるならば、糖尿病の患者さんに血糖値を下げる薬を処方する。これが対症療法です。
本来「なぜ」糖尿病になってしまったのか?原因を追求します。
そこから導き出された治療法は食事療法なのかもしれません。
この食事療法が根本治療にあたります。血糖値を下げても根本的に
食事を変えないことには治らないのです。
話は戻って、虫歯治療の場合はどうでしょう?
虫歯の原因はもちろん虫歯菌です。しかしながら今後虫歯にならないようにするためには
「なぜ」虫歯になったのかを追求し、真の原因を探らなくてはならないのです。
歯磨きが足りていないのが原因なのか?
生まれつき歯が弱いからなのか?
ひっきりなしに何かを飲食しているからなのか?
病気で処方されたクスリのせいなのか?
加齢により唾液量が減ったからなのか?
くいしばりによりエナメル質にヒビが入ったからなのか?
以前入れてもらった詰め物がぴったり合っていなかったからなのか?
この「なぜ」の部分が解明されると、つまり敵を知ることになりますから、
戦略つまり対策を講じることができるのです!