咬合調整(予防歯科)

咬合調整とは、かみ合わせを削る・足すことによって

快適で問題のない状態に調整する処置のことです。

 

かみ合わせは少しずつ変化していいきます。

治療終了時にベストのかみ合わせに調整してあるのですが、

少しずつ起こる、かみ合わせの変化を見逃さず調整します。

かみ合わせが変化することで、主に補綴修復物(治したところ)が

壊れたり・外れたり・欠けたり・虫歯になるのを防止します。

 

しかし、かみ合わせの変化はゆっくりなので、毎回毎回調整をする必要はありません。
歯科衛生士や歯科医師がチェックし、調整が必要であると判断したときに随時行います。

歯のトラブルは虫歯・歯周病のように細菌(プラーク)が原因でおこるものと、

力(かみ合わせ)が原因でおこるものとがあります。

この力(かみ合わせ)が原因でおこるトラブルを未然に防ぐために、咬合調整を行うのです。

クリーニング(歯科定期検診)

歯科定期検診におけるクリーニングは、一般的に言う「お掃除」程度のクリーニングではありません。
歯科定期検診のクリーニングは「PMTC」と「スケーリング」の両方を行います。

 

PMTCとはProfessional Mechanical Toothcleaningの略称で、

歯の表面のプラーク除去・歯の表面の滑沢化・ステイン除去を行います。

 

PMTCを行うことで、歯の表面についているプラーク(デンタルバイオフィルム)を除去するだけではなく、

歯の表面を滑沢化することでプラークが付きにくい歯に変えてくれる役割があります。

もちろんステイン除去効果は、たばこのヤニやコーヒー・紅茶・茶渋などの汚れを取ることができます。

 

ご自身のブラッシングで取りきれなかったプラークや汚れを、定期的に取ってくれるのです。

歯科定期健診(大森歯科医院)

歯科定期検診とは何でしょうか?

 

いわゆる人間ドックのような全身の健康診断とは異なります。

歯科定期検診は、検査・診査とともにクリーニングや生活指導・ブラッシング指導などを行います。

検査・診査は虫歯のチェック・歯周病の検査・レントゲン検査などを行います。
その他クリーニングや指導については次以降の項目でお伝えします。

歯科定期検診はだいたい1時間くらいで行います。

 

そしてどのくらいの頻度が良いのかですが、基本的に3か月に一回のペースをお勧めします。
歯のトラブルはゆっくり進行するものと突然発生するものとがあります。
トラブルが発生しても患者さんは気づいていないこともあります。
ですので定期的にチェックをして早期発見、早期治療をおこなったほうが良いのです。

また、歯科定期検診の際にプラーク除去とともにステイン(歯の着色)も

同時にとることもできますので、身だしなみにも最適です。

 

ぜひ歯科定期検診を受けてください。

歯科衛生士の役割(大森歯科院)

大森歯科医院では3名の歯科衛生士が勤務しています。

 

歯科衛生士とは、歯科衛生士法に基づき免許が与えられている歯科医療職で、う蝕(虫歯)、

歯周病を予防するためのプロフェッショナルです。

歯科衛生士の業務としては歯科予防処置、歯科保健指導、歯科診療補助の3つがありますが、

歯科医師と連携を取り高度なチーム医療を提供するという面からも欠かせない存在です。

 

大森歯科医院では患者さんごとに担当の衛生士がつき、予防のための治療として

PMTC(歯のクリーニング)やSRP(歯石除去)などを行いながら、長期的に口腔内の管理とを行います。

また、患者さんとのコミュニケーションを通じて様々な情報をつかみ、歯科医師へフィードバックするなど、

適切な治療を提供するためのパートナーとして、歯科衛生士は重要な役割を担っています。

ブラッシングの時間

今回は歯磨きにどのくらいの時間をかければ良いのか?

について、お答えしたいと思います。

 

ここであるデータを紹介しましょう。
一回の歯磨きで完全に細菌を除去しようと思うと、
なんと約40分(!)かかる、というのです。
毎回そこまでしなくても、虫歯や歯周病にはなりませんが、
1回1分では、やはり不十分です。

もちろんそれぞれの人によって虫歯の出来やすさ・歯の本数・歯並び等が
違いますので、それぞれ必要な時間が異なります。
あくまで目安としてですが、しっかりとプラークを除去するには10分くらい必要です。
電動歯ブラシを上手に使用すれば、もう少し短縮できるでしょう。

うまく歯磨きの時間を作ってください。

例えば、テレビを見ている時間・湯船に浸かっている時間・本を読んでいる時間・・・
などなど、じっとしていて手が休んでいる時間を有効に使っていただいて、
歯磨きに充ててください。
できれば、時々は鏡を見て自分の口の中を観察してください。
そして体のちょっとした変化に早く気づいてあげてください。
それがご自身で体を歯を守ることになるのです。

ブラッシングの道具と方法

今回は、何をどのように使えば良いのかについて、お答えしたいと思います。

 

基本は以下の①と②の併用です。

① 歯ブラシ もしくは 電動歯ブラシ
(表・裏・噛む面のプラークをとる道具)
② デンタルフロス ・ 歯間ブラシ 等
(歯と歯の間の細かい部分のプラークをとる道具)

 

① の、歯ブラシなのか電動歯ブラシなのかは、それぞれの人によって

異なりますので、指導をうけてください。

② の、デンタルフロス(糸楊枝)・歯間ブラシは、補助器具です。
補助といいますがこれらの器具は立派な主役で、どなたでも必須です。
日本人はこれら補助器具を使う習慣があまりありませんが、
欧米先進諸国では常識です。
フロスか歯間ブラシのどちらか、もしくは両方使うことになりますが、
これも適したものを選ぶために是非プロによる個人指導を受けてください。

 

基本の磨き方ですが、場所にポイントがあります。
・歯と歯ぐきの境目を磨くこと ⇒歯ブラシ・電動歯ブラシで!
・歯と歯の間を磨くこと ⇒フロス・歯間ブラシで!

 

決して強くこする必要はありませんが、虫歯も歯周病も、
この二つの部分から始まることが多いため重点的に磨かなければいけないのです。
歯と歯の間はふつうの歯ブラシでは磨けませんから補助器具を
使わなければいけません。

ブラッシングのタイミング

ブラッシングは、本当は何のためにしているのでしょうか?
虫歯予防のために、いつ・どれだけ時間をかけて・どのような道具を用いて、

どのように磨けば一番効果があるのでしょうか?
今回はタイミングについてお答えしたいと思います。

 

では、いつ磨けばいいのでしょうか?

まず、絶対に磨いて欲しいのは、寝る前です。
以前にお話しましたが、寝ている間は唾液が分泌されなくなりますので、
菌が活動しやすく非常に危険な時間帯です。
ですから、寝る前に細菌の数を減らしておくため、
そして後述するフッ素の効果を最大限に発揮するために、
寝る前のブラッシングは必須です。

 

重要なのは細菌を除去することですので、1回の歯磨きに時間をかけ、
プラークの除去がしっかりできるのであれば

夜一回の歯磨きでも実は十分なのです。

ブラッシングの重要性

ブラッシングは、本当は何のためにしているのでしょうか?
虫歯予防のために、いつ・どれだけ時間をかけて・どのような道具を用いて、

どのように磨けば一番効果があるのでしょうか?
よく耳にするフッ素は本当に効果があるのでしょうか?
どう使えばいいのでしょうか?
そんなさまざまな疑問に何回かにわけてお答えしていきます。

 

~ブラッシングの目的~

 

皆さん、歯を磨くのは何のためにしていますか?
スースーして気持ちがいいから?それとも食べかすをとるため?
実はどちらも真の目的ではありません。

ブラッシングは、虫歯菌のかたまりであるバイオフィルムを破壊し、
細菌を歯の表面から除去するのが目的です。
酸を産生し歯を溶かす虫歯菌を、こすって除去するのです。

 

それではちょっと忘れてしまった方へ・・・
復習になりますが、バイオフィルムについて思い出してみましょう。

・ ヒトの体にはいろんな菌が共存しており、これらの菌を常在菌という。
・ 口の中の常在菌はおよそ700種類。

その中の3分の2が糖をエサとして取り入れて酸を放出する。
これらを総称して虫歯菌という。

・ 虫歯菌は単体では弱いので、集合体となって歯の表面にくっついている。
(=歯垢・プラーク)
さらに集合体の表面を特殊な膜で覆い外敵から防御している
(=バイオフイルム)

・ バイオフイルムは、うがいではとれない

 

思い出しましたか?

ちなみに、リステリンなどの洗口剤は、
バリアーを張っているバイオフィルム中の菌には効きません。
ブラッシングでバリアーを壊してこそ、洗口剤は殺菌効果を発揮するのです。

プロフェッショナルケアとホームケア

~皆さんとわれわれの役割分担~

 

歯のメインテナンスは定期検診だと思っていらっしゃいませんか?
予防は歯科医院でするものだと思っていらっしゃいませんか?

これは半分正解ですが半分誤りです。

もちろん定期的に歯科医院にお越しいただきチェックをしてクリーニングを行うのは

メインテナンスであり予防です。
ですが、みなさんも頑張っていただかないといけません。

もっとも大切なのはブラッシングと食生活習慣のコントロールです。

 

日本の歯医者さんも国民のみなさんも、虫歯予防や歯周病予防は定期検診だと思っている方が多く、

歯科医院で行うものと思っている方が多いようです。

しかし、歯科予防はお互い頑張らないといけないのです。

 

我々の役割はチェックとクリーニングです。
これらを総称してプロフェッショナルケアと言います。

みなさんの役割はブラッシングや食生活習慣のコントロール、フッ素の使用、

くしばりに対する認知行動療法、プロテクションスプリント などです。
これらを総称してホームケアと呼びます。

 

みなさんの役割、我々歯科医療人の役割を明確にし、それぞれやるべきことをやっていかないと、

お口の(歯の)健康は維持安定しないのです。

4種類の歯を失う病気(トラブル)

○歯を失う病気(トラブル)について
歯を失う病気には4つの種類があり、それぞれ原因があります。

 

1.

病 気 :   虫 歯
原 因:     菌
内容や種類 :口の中に取り込まれた糖分を原料として細菌が酸を作り、その酸が歯を溶かす病気

 

2.

病  気 :        歯周病

原  因:  細菌

内容や種類 :細菌の作り出す毒素が炎症をおこさせ、歯ぐきと歯を支え る骨を溶かす病気

 

3.

病 気 :   不良な治療

原 因:  過去の歯科治療

内容や種類 :行われなければならない最善の歯科治療がなされていない 事により、

歯の寿命が短くなったり、他の病気を誘発して しまう病気

 

4.

病 気 : 咬みあわせ+力

原 因: 修復治療食いしばり歯ぎしり噛みしめ

内容や種類 :歯の支える位置や、修復物の作り方などによって一部の歯に過剰な負担が集中し、

そのために歯が壊れる病気

 

 

○あなたのお口の様子
生涯にわたり、ご自分の歯を使い続けるために受診される歯科医療は、私達医療サービス側とあなた様ご自身という、

双方の協力によって成り立ちます。
そのためにはまず、あなたが、あなた自身のお口の中の状態をよく知っていただく事が必要です。

 

 

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