各年齢ステージにおける虫歯予防

~虫歯予防はお母さんのお中に居る時から始まっています~

 

歯の形ができるのは妊娠3ヶ月ぐらいの胎児のころからです。
最初に生える永久歯もすでに芽ができ始めています。
つまり妊娠に気がついたら子供の虫歯予防は始まっているのです。
まず妊娠に気づいたら、できるだけ早い時期に歯の健康診断を受け、

ご自身の虫歯や歯周病を治し口腔内を健康な状態にしましょう。
お母さんの口の中から虫歯菌は移る可能性が一番高いので、

まずは妊娠中からお口の健康に気をつけることが子供の歯を守る第一歩です。
虫歯の要因はいろいろありますが、歯の抵抗性を増すことが大切です。

 

母親の栄養摂取不足から胎児の歯や骨に影響しないように健康に注意しなくてはいけません。
妊娠中は特にバランスのとれた食事をとって健康な強い歯ができるように努めてください。
妊娠中は色々と口腔内が不潔になりやすく、ホルモンの影響で歯周病原菌も増加しやすくなりますので、

虫歯や歯周病(歯槽膿漏)も進行しやすくなります。
専門家(歯科医師や衛生士)のアドバイスを受け清潔で健康な口腔内を維持することが、

母親はもちろんのこと生まれてくる子供のカリエスリスク(虫歯になる危険性)を下げることになります。

リカルデントの問題点

リカルデントの問題点:

 

●ミルクアレルギーのある方は、アレルギー症状が出ることもあります。
●現在は、ガムの形でのみ供給されているので義歯が入っている人には噛みにくいと思われます。
●ガムの成分中、甘味料としてキシリトールがある程度入っているのは大変好ましいのですが、

残りの成分にアスパルテームが入っている点が気になります。
●今までに無い、確かに良く考えられた製品ではありますが、低年齢者が常時使うことは、

甘いものを好む体質に繋がって行きますので程ほどに。
●当然、この製品だけで虫歯予防は、不可能であることをお忘れなく!
●修復作用は、初期の虫歯に限ります。大きい穴の開いたウ窩(虫歯の穴)は治療の対象となります。

 

付記:
アメリカ、ヨーロッパでは既に” Trident Advantage,Trident for Kids ”の商標名で販売されています。
但し、成分配合比や味は日本向けにアレンジされているようです。
参考にリカルデントの製品情報の載っているURLを記しておきます。
http://www.recaldent-gum.com/
http://www.recaldent.com/
http://www.adams-jp.com/

リカルデント(虫歯予防)

健康なラットにう蝕原生菌(虫歯をおこすバイ菌)を経口感染させ、

その歯牙に各種濃度のリカルデント溶液と500ppmのフッ素溶液との組み合わせを作り、

抗う蝕効果を検討した。

 

1%のリカルデント溶液では55%の虫歯抑制効果が認められた。
リカルデント単体で使うよりも、フッ素も併用した方がより効果が高いと期待できる。

 

●リカルデント(CPP-ACP)の修復作用は約3時間と言われています。
●歯垢(プラーク=歯糞)中にもリカルデント(CPP-ACP)は、取り込まれる。(注:Eric C Reynolds 博士談)
●リカルデント(CPP-ACP)を使っていると歯石が多く出来ることは無い。(注:Eric C Reynolds 博士談)

リカルデント(虫歯予防)

牛乳タンパク質から作られた新しい抗う蝕性物質・リカルデンTM( CCP-ACP)が入ったガムが

2000年5月15日に発売になりました。

 

牛乳タンパク質から作られた抗う蝕性物質「リカルデント」について。
リカルデント(CPP-ACP)は、オーストラリア・メルボルン大学歯学部教授 エリック・C・レイノルズ博士の

20年に渡る研究とオーストラリア最大の乳製品メーカーであるボンラック フーズ リミテッド社との研究・開発の末に

生まれた新しい画期的な成分です。
CCP:カゼインホスホペプチド、牛乳タンパク質を酵素で消化したリン酸ペプチド。
ACP:非結晶性リン酸カルシュウム
リカルデント(CPP-ACP):リン酸カルシュウムを沈殿させないで過飽和の状態にするユニークな機能を有し、

人や動物実験で歯牙表面に局在している自然発生した虫歯を抑制し、再石灰化することが確認されています。
特徴的なのは、歯面=エナメル質の内側まで透過し、再石灰化=虫歯を修復させる事です。
リカルデント(CPP-ACP)は、キシリトールのような代替甘味料ではありません。

 

つまり、直接エナメル質表層下まで浸透し、初期の虫歯を内部から修復させるという点において区別されます。
リカルデントガムは、キシリトールを糖質中50%含んでいます。

虫歯になりにくい食べ物を選択する上での注意点

ガム以外のものも虫歯になりにくい食べ物を選びたいという方に、
注意すべき点をお話ししてきました。

・キシリトール100%を選ぶ!

・甘味料以外でも、虫歯を作る成分が入っていないかを調べる

・まぎらわしい表記にだまされないように!

そして最後にその4 日本トゥースフレンドリー協会の「歯に信頼」マークを見つける
日本トゥースフレンドリー協会という団体があります。
そこで虫歯にならないことをしっかり確かめられたものだけに、
「歯に信頼」マークというものがつけられています。

 

このマークのついたお菓子は協会の厳しい基準をクリアしたものなので、
虫歯の原因にはならないそうです。
皆さんこのマーク知っていましたか?
ぜひお店で探してみてください。

というのもキシリトールについては特にいろいろな情報が
溢れかえっているのに、あまりに正しいことが皆さんに伝わっていないと
いうことを痛感していたのでこのような企画をしてみようと思ったのです。

どこかできいたような、納豆=ダイエットみたいなものにキシリトールが
なってしまってはいけないし、皆さんが惑わされてもいけないのです。

虫歯になりにくい食べ物を選択する上での注意点(キシリトール)

ガム以外のものも虫歯になりにくい食べ物を選びたいという方に、
注意すべき点をお話してきました。

キシリトール100%を選ぶということ。

甘味料以外でも、虫歯を作る成分が入っていないかを調べるということ。

 

そしてその3 まぎらわしい表記にだまされないように
「虫歯になりにくい」・「歯に優しい」・「歯に安心」・「虫歯予防に」 などの

まぎらわしいキャッチフレーズが記載された食品が数多くありますが、
必ずしも科学的根拠に基づいているものばかりではないので、
その表現に惑わされないでください。

虫歯になりにくい食べ物を選択する上での注意点

ガム以外のもので虫歯になりにくい食べ物を選びたいという方に、

注意すべき点として、前回キシリトール100%を選ぶこれが重要という

お話をしました。

 

ではその2 甘味料以外でも、虫歯を作る成分が入っていないかを調べる !
甘味料以外で虫歯を作るものに粉乳・乳化剤・香料などがあります。
つい最近「歯医者さんが考案した虫歯になりにくい、キシリトール100%の
チョコレート」というのが発売されていました。
しかし粉乳が含まれていることなどから、このチョコレートは甘味料が
キシリトール100%であっても、虫歯の原因にはなります。
やっぱりそんなに甘くはないのです!

キシリトールについて

<虫歯になりにくい食べ物を選択する上での注意点>

 

キシリトールガムで虫歯予防のしくみは、お解かりいただけたと思います。
それでは、キシリトールガム以外のものも虫歯になりにくい食べ物を選びたいという方に、
注意すべき点を挙げておきます。
あなた自身が鋭い視点をもって食べるものを選ぶことができれば、
キシリトールはいままでの何倍も役に立つことでしょう。

 

その1 「キシリトール入り」「砂糖不使用」の文句に注意!!
甘味料はキシリトールと砂糖以外にもたくさんあります。
その中には当然虫歯の原因になるもの(例えば水飴・麦芽糖・果糖)もあります。
キシリトールが入っていても砂糖などが入っているもの、砂糖が入っていなくても
麦芽糖などがはいっているものはたくさんあるのです。
キシリトールか他の糖アルコール(マルチトース・ソルビトールなど)
100%であることを確認しましょう。
キシリトール100%を選ぶ! これが重要です!

 

キシリトールについて(虫歯予防)

<キシリトールの上手な使い方>

 

前回ご説明したとおり、キシリトールの成分には虫歯予防の力はほとんどないのです。

例えば、歯磨き粉にキシリトールが含まれていても、その効果はほとんど無いのです。

ではどのような使い方が良いのでしょうか?
結論から申し上げると「キシリトール100%のガムを食後すぐに噛む」ことです。

 

これについてもう少し詳しく説明していきましょう。
ここでまず思い出していただきたいこと、それは

「虫歯菌は、食物が口の中に入ってきた瞬間から酸を出し、歯を溶かし始める」
「新鮮な唾液は虫歯菌が出した酸を中和し、さらに再石灰化を促進させるという
2大効果がある」

ということです。

 

つまり、唾液がたくさん出れば、虫歯予防になるのです。
では食事のあとすぐに新鮮な唾液をたくさん出すために私たちは
どうしたらよいのでしょうか?
それは「噛むこと」「甘味」という刺激を脳にあたえればよいのです。
噛むという行為や甘いと感じることは、脳に伝達され、
唾液の分泌を促進させるのです。
ただし甘味は虫歯の原因になるものではいけません。
キシリトール100%のガムはそれを全て満たしているのです!
キシリトールガムを食後すぐに噛むと、“噛む刺激”と“甘い刺激”で
活発に唾液が分泌されます。
その唾液は、虫歯菌から酸がたくさん放出され歯が溶け始めている環境を、
素早く中和し再石灰化を促進させるのです。

キシリトールガムの正しい使い方=食べたら噛む

次回は、虫歯になりにくい食べ物を選択する上での注意点について、お話したいと思います。

キシリトールについて(虫歯予防)

<キシリトールで虫歯は治る?>

 

キシリトールは再石灰化を促進させるとも言われていますが、本当なのでしょうか?

 

虫歯菌の出す酸によって、歯の表面のハイドロキシアパタイトの結晶から
カルシウムなどが溶け出し結晶構造が崩れる現象を脱灰といいます。
(=虫歯のはじまり)

一度脱灰がおきても初期段階であれば、新鮮な唾液に触れることによって、
唾液中のリン酸やカルシウムがそこに再び沈着して結晶のミネラル成分が

回復します(=虫歯部分の修復)
この現象を再石灰化といいます。

 

ではキシリトールはどうかというと、脱灰したところの再石灰化を促進させるという
報告もありますが、実はこの作用はあまりにも小さいのです。
砂糖によって虫歯ができる力を100とすると、キシリトールが再石灰化する力は
0.1位なのだそうです。
つまり残念ながら再石灰化力は無いに等しいということなのです。

キシリトールを歯に塗りつけても効果ありません。

次回は、キシリトールの上手な使い方についてお話いたします。

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