ブラッシングは、本当は何のためにしているのでしょうか?
虫歯予防のために、いつ・どれだけ時間をかけて・どのような道具を用いて・
どのように磨けば一番効果があるのでしょうか?
よく耳にするフッ素は本当に効果があるのでしょうか?
どう使えばいいのでしょうか?
そんな疑問にお答えしていきます。
皆さん、歯を磨くのは何のためにしていますか?
スースーして気持ちがいいから?それとも食べかすをとるため?
実はどちらも真の目的ではありません。
それではちょっと忘れてしまった方へ・・・
復習になりますが、バイオフィルムについて思い出してみましょう。
・ ヒトの体にはいろんな菌が共存しており、これらの菌を常在菌という。
・ 口の中の常在菌はおよそ700種類。
その中の3分の2が糖をエサとして取り入れて酸を放出する。
これらを総称して虫歯菌という。
・ 虫歯菌は単体では弱いので、集合体となって歯の表面にくっついている。
(=歯垢・プラーク)
さらに集合体の表面を特殊な膜で覆い外敵から防御している
(=バイオフイルム)
・ バイオフイルムは、うがいではとれない
思い出しましたか?
ちなみに、リステリンなどの洗口剤は、
バリアーを張っているバイオフィルム中の菌には効きません。
虫歯菌のかたまりであるバイオフィルムを破壊し、
細菌を歯の表面から除去することがブラッシングの目的なのです。
酸を産生し歯を溶かす虫歯菌を、こすって除去するのです。
歯のメインテナンスは定期検診だと思っていらっしゃいませんか?
予防は歯科医院でするものだと思っていらっしゃいませんか?
これは半分正解ですが半分誤りです。
もちろん定期的に歯科医院にお越しいただきチェックをしてクリーニングを
行うのはメインテナンスであり予防です。
ですが、みなさんも頑張っていただかないといけません。
もっとも大切なのはブラッシングと食生活習慣のコントロールです。
日本の歯医者さんたちも国民のみなさんも、虫歯予防や歯周病予防は定期検診だと
思っている方が多いです。
歯科医院で行うものと思っている方が多いようです。
これはお互い頑張らないといけないのです。
我々の役割はチェックとクリーニングです。
これらを総称してプロフェッショナルケアと言います。
みなさんの役割はブラッシングや食生活習慣のコントロール、フッ素の使用、
くいしばりに対する認知行動療法、プロテクションスプリント などです。
これらを総称してホームケアと呼びます。
みなさんの役割、我々歯科医療人の役割を明確にし、それぞれやるべきことを
やっていかないと、お口の(歯の)健康は維持安定しないのです。